秒速5センチメートル(新海誠の鬱アニメ映画)のあらすじ解説や感想(ネタバレ注意) ~結末やその後、漫画・小説との違いも

新海誠のアニメ映画:秒速5センチメートルのあらすじや感想をまとめている男性-12

どーもー、先日「言の葉の庭」の聖地巡礼で新宿御苑に行って、運命の人を探してきた「ゆとり」でーす。

→ 「言の葉の庭」の舞台:新宿御苑に聖地巡礼してきた ~「君の名は」で瀧君が働くイタリアンレストラン「カフェ ラ・ボエム」も

※「言の葉の庭」は、「秒速5センチメートル」と同じ、新海誠監督作品です。

で、、

今回はですね、僕が1話で号泣し、3話で鬱的気分に陥った「秒速5センチメートル(略して、秒速)」について紹介していきます。

秒速は、新海誠によって、2007/3/3 に公開されたアニメーション映画で、

惹かれ合っていた男女の時間と距離による変化を「桜花抄(おうかしょう)」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」という短編:3話で構成された作品になります。

監督・原作・脚本・絵コンテ・演出・キャラクター原案・美術監督・色彩設計・撮影・編集・3DCGワーク・音響監督 : 新海誠

作画監督・キャラクターデザイン:西村貴世

音楽:天門

上映時間:63分

作品のキャッチコピー : ”どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか”

この、「秒速5センチメートル」は、日本全国の劇場で順次公開されていき、公開後には、以下の賞を受賞する。

・アジアパシフィック映画祭:最優秀アニメ賞
・イタリア・フューチャーフィルム映画祭:ランチア・プラチナグランプリ、等々

また、

秒速は、BD/DVDや小説・漫画版も出版され、2011年(11月)までに、BD/DVD:合計10万本、小説:累計10万部、漫画版:累計13万部を売り上げました。

というわけで、今回の記事では、「秒速5センチメートル」のあらすじや感想について、

また、小説や漫画版のあらすじや、映画版との違いについても、順に紹介していこうと思います。

以下、目次。

  1. 秒速5センチメートルのあらすじ解説や感想 ~鬱的結末や、1話の二人の手紙内容
  2. 当作品の漫画版・小説版のあらすじ内容について ~アニメ映画との違い
  3. 最後に・・・秒速5センチメートルと「君の名は。」の共通点や、その他の新海誠監督作品について

秒速5センチメートル(新海誠アニメ映画)のあらすじ解説や感想 ~鬱的結末や、1話(桜花抄)の二人の手紙内容(ネタバレ注意)

まずは、アニメ映画版のあらすじや感想等についてまとめていきます。

【あらすじ】

秒速5センチメートルは、1990年代前半頃の東京の小学校を舞台に、二人の男女:貴樹(たかき)と明里(あかり)の出会いと、お互いに惹かれていく所から始まっていく。

物語は、「桜花抄」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」の短編3話構成となっており、

第一話「桜花抄」 : 二人が小学生時代で、明里が転校してしまう時の話。

第二話「コスモナウト」 : 二人が高校時代で、主に貴樹の学生生活が描かれている。

第三話「秒速5センチメートル」 : 二人が社会人時代で、主に貴樹の社会人生活が描かれている。

各話の、詳細なあらすじについては、以下にてまとめられています。

ウィキペディア:秒速5センチメートル(ストーリーの章)

続いて、「秒速5センチメートル」を観た感想や考察内容について、以下にまとめてみました。

  • 「秒速5センチメートル」の意味

    本編で、明里が貴樹に語るのですが、

    秒速5cmというのは、「桜の花びらが舞い落ちる速度」を意味しているそうです。

  • 「映像美」

    本作を見れば分かりますが、新海誠監督らしい、非常に綺麗で心が洗われるような繊細で美しい映像作品となっており、

    雪景色、桜の舞う描写、東京の夜景、夕焼けの街、綺麗な星空等々、非常に緻密で美しい背景映像が描かれています。

  • 第一話のタイトル:「桜花抄(おうかしょう)」の意味

    「桜花抄」という言葉は無いですが、(秒速で作られた造語)

    おそらく、「桜の花が咲き乱れる季節の話・エピソード」といった意味になるでしょう。

    ちなみに、「抄」という文字は、”長い文章などの一部を書き出すこと。また、そのもの” といった意味から、概ね上記のような意味で合っているでしょう。

  • 第二話のタイトル:「コスモナウト」の意味

    「コスモナウト」は、”cosmonaut” という英単語から来ており、主に(ソ連の)宇宙飛行士という意味である。

    第二話では、NASDA(宇宙開発事業団、現JAXA)によって作られたとされる架空の宇宙探査機:「ELISH(エリシュ)」が描かれていたり、

    貴樹が将来、「宇宙飛行士」に成りたいって言っている事から、このタイトルが付いたのでしょう。

  • 「水野理紗の声優」

    第三話で登場する、貴樹の恋人である水野理紗。

    実は、この名前、新海作品では常連である声優・水野理紗と同姓同名で、声も本人が担当している。

    また、水野は花苗の姉役(2話)も兼任している。

  • 「秒速5cmの主題歌・挿入歌」

    秒速の主題歌には、山崎まさよしの「One more time, One more chance」が選ばれています。

    おそらく、知っている人も多いでしょう、非常に有名な曲です。

    この曲は、1996年にリリースされた山崎の代表作で、新海監督が「大学時代によく聴いていた、一番好きな曲」と語っている。

    また、映画公開に伴い、作中のシーンをジャケットとミュージックビデオに起用したCDシングル:「One more time, One more chance 『秒速5センチメートル』 Special Edition」がリリースされています。

    また、

    上記以外に、本編に挿入されている曲は、以下の2曲です。

    ・LINDBERG:「君のいちばんに・・・」(第2話)

    ・みずさわゆうき:「あなたのための世界」(第2話)

  • 「秒速5センチメートルの舞台・聖地」

    秒速で有名な聖地は、やはり以下の3つでしょう。

    ・1話と3話に登場する「踏切り」(東京の参宮橋駅近くの踏切がモデルとなっています)

    ・1話の終盤で、明里と貴樹が待ち合わせた駅(栃木の岩舟駅)

    (公開後から訪問客の姿が目立つようになり、駅前のタクシー会社によれば、北海道からの訪問や、中国からの団体客も見られるそうです)

    ・2話の種子島(鹿児島の種子島)

    この他にも、東京を中心にモデルとなった聖地が多数あります。

    機会があったら、僕自身、秒速の聖地巡礼をしたいですね。(さすがに、種子島は無理だけど)

  • 「僕が最も感動したシーンについて」

    僕が、秒速で最も感動したのは、1話の終盤、二人が待ち合わせをするシーンですね。

    明里の引越し先である栃木の最寄り駅に、貴樹が放課後向かうのですが、大雪の影響で約束の時間を大幅に遅刻してしまいます。

    (19:00の予定が、実際に貴樹が到着したのが23:00過ぎになる。)

    それでも、ずっと駅の待合室の中で、凍えながら一人待っていた明里。そして貴樹と出会った瞬間に、泣きながら彼の手を握った時に、僕の涙も溢れ出しました。

    (それまでの、彼女の転校が決まった時の2人のやりとり・苦しさや、その後の、2人の純粋で淡い文通のやりとり、そして、久しぶりに再会することになったのに、大雪のせいで会いに行きたくても行けない貴樹の切なさ。それをずっと待ち続ける明里の心細さ。そういうモノが一気に込み上げてくるシーンです。)

    (繊細で切なく、心に響いていくBGMもズルかったw)

    そして、一瞬の出会い(幸せ)も、これからの二人の距離がもっと遠く離れしまう現実に押しつぶされてしまいそうな、二人の心境もグッと切ないモノがありました。

    「明里のそのぬくもりを、その魂を、どこに持っていけばいいのか、どのように扱えばいいのか、それが僕には分からなかったからだ。大切な明里のすべてがここにあるのに。それなのに、僕はそれをどうすれば良いのかが分からないのだ」

    「僕たちはこの先もずっと一緒にいることはできないのだと、はっきりと分かった。僕たちの前には未だ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間が、横たわっていた。」

    (貴樹のモノローグ)

    そして、

    お互いがお互いのために書いていた手紙(結局、どちらも渡すことができなかった。。)

    この手紙の内容ですが、映画版では明らかになっていませんが・・・

  • 「二人の手紙の内容」

    実は、小説では、二人が渡せなかった手紙の内容が明らかになっています(以下、全文)

    僕は、初めて上記の手紙内容を読んだ時に、正直衝撃を受けました。

    「おい、マジかよ、貴樹ぃ!!」って。

    明里は、貴樹に救われた小学生の時の事とか、一緒に大人になっていきたった事とか、貴樹のことが大好きで大切な存在であるということを、しっかりと書いているのに対して、

    貴樹は、まず文量が非常に少なく、自分に関しての事が多く、なぜか「好きでした」という過去形で、締めくくり方も切なさや悲しさが残る文末で、、、

    二人の恋文の内容の違いに非常に衝撃を受けましたね。(貴樹に対して憤りを感じるほど)

    (この後、ずっと相手を想って引きずっていくのは、貴樹の方だけど)

  • 「秒速の3つの鬱要素について」

    ネット上を調べてみると、「秒速5センチメートル」を見ると、鬱になってしまう。。といった声が非常に多かったです。

    たしかに、個人的にも鬱的シーン(状況)だなーって感じるところは、いくつかありました。

    というわけで、特にそう感じた3つのシーンを以下にまとめてみました。

    ・【2話の花苗(かなえ)】

    貴樹のことを一途に思い続ける、2話のヒロインだが、好きな人に大切な人がいるという真実を知りながらも好きになってしまって、だけど告白することもできずに悩み続ける彼女。貴樹はずっと違うなにかを見続けていて、自分の事なんて眼中に無いことを知っているのに、それでも忘れることができない淡くて悲しい青春です。

    ・【3話の水野さん】

    3話にて、貴樹と付き合っていた恋人ですね。個人的に以下のセリフとメールの文面が非常に印象に残っています。

    貴樹:「ただ生活をしているだけで、悲しみは其処此処(そこここ)に積もる。日に干したシーツにも、洗面所の歯ブラシにも、携帯電話の履歴にも・・・」

    3年間付き合った水野さんからのメール:「あなたのことは今でも好きです。でも私たちはきっと1000回もメールをやりとりして、たぶん心は1センチくらいしか近づけませんでした。」

    ・【3話で明里が結婚してしまっていた事】

    これはもう鬱というか衝撃でしたね。。この瞬間、もうハッピーエンドでは無くなりますからね。。

    ただ一方で、貴樹の方も明里を一途に思い続けていたのかと言われれば、高校卒業後には複数の女性と恋をしてきたみたいだし、社会人になってからは日々の仕事で、彼女云々の前に、生きる意味すら見いだせない状況に陥っていたようです。

    貴樹:「ただひたすら働き続け、なんのために生きて、なにが欲しいのか分からない状態が続いていく。。かつて、あれほどまで真剣で切実だった想いが綺麗に失われてういる事に気付き、もう限界だと知った時、僕は会社を辞めた。」

    そして、最後のシーン。

    踏切りですれ違い、電車が過ぎ去っていった後に彼女の姿が無かった時のシーンは、本当に切なかったですね。

    (新海さんはなぜハッピーエンドにしなかったんでしょうね?)

    (どんな思いや約束も、時の流れと共に移ろいでいく儚さや切なさを描きたかったのかな?)

  • 「秒速は、実話を元にしていた?」

    新海 : 「細かいエピソードは、僕も似た経験があります。実際に大雪が降って電車に閉じ込められたこともありますし、学生のころは「好きって言いたいけど言えない」という花苗のような気持ちも抱いていましたし、会社の生活が大変で会社を辞めるというシーンなども、僕の実際の経験を若干ヒントにしています。」

以上、「秒速5センチメートル」の感想や考察まとめでした。

秒速5センチメートルの漫画版・小説版のあらすじ内容について(ネタバレ注意) ~アニメ映画との違いや、その後の話

続いて、秒速の漫画版と小説の内容について、順にまとめていきます。

※現在までに、漫画版は1冊、小説については2冊が出版されているので、計:3冊の紹介をしていきます。

新海誠作の「小説・秒速5センチメートル」のあらすじ解説や、アニメ映画との違いまとめ

新海誠作品の「小説・秒速5センチメートル」-1

Amazon:「小説 秒速5センチメートル(新海誠著書)」

この小説は、新海誠自身が映画公開後に書き下ろした小説で、映画では語られなかったストーリーも含まれている作品になります。

公開日:2016/2/25
ページ数:191ページ

他の2作品(これから紹介する小説と漫画)に比べると、独自の解釈が少なく、基本的なあらすじは映画の物語に沿っているため、映画の補完的に読めば良い作品です。

以下、アニメ版との違い。

  • 第1話:「桜花抄」で、最後に二人が渡せなかった手紙の内容が全文公開される。(前章にてまとめている内容です)
  • 貴樹の大学時代・社会人時代について、より詳細に書かれている。

    例えば、大学時代、貴樹は普通に他の女性と恋愛をしており好きになっている。(以下、大学3年生の時に付き合った相手へのセリフ)

    「3ヶ月間の付き合いだが、あれほど急激に誰かを好きになり、同じ相手をあれほど深く憎んでしまったことも初めてだった。

    幸せと恍惚の日々の後に、誰にも相談できない酷い日々。彼女に世界の秘密の瞬間を目にしたことがあったような気がした。このような存在をもう二度と失ってはならないと強く思った。」

    また、

    社会人時代、仕事のエピソードや水野さんとの出会いなど、映画では語られていない部分が多々ある。

  • 水野理紗に関しての情報が、非常に細かく書かれている。(映画版ではたいして重要人物でも無かったが・・)
  • アニメ版よりも前向きなラスト

    ラストシーンについては、アニメ映画版と変わりません。(踏切りですれ違って、ED)

    ただ、その描かれ方が、非常に前向きに描かれています。(貴樹自身、踏切りの件で、過去との折り合いをつけて前に進んでいこうといった感じで書かれている。)

以上、アニメ版との違いでした。

また、さらに詳細なストーリー内容や解説については、以下の記事にてまとめられているので、気になる方は見てみてください。

→ 新海誠の小説から読み解く「秒速5センチメートル」ネタバレ解説

加納新太による小説版:「秒速5センチメートル one more side」 ~各回のモノローグの語り手が違う

小説版:「秒速5センチメートル one more side」-2

Amazon:「秒速5センチメートル one more side」

この作品は、加納新太という作家が描いた、もう一つの小説:「秒速5センチメートル」で、新海作品とは異なった、彼独自の解釈が多分に含まれている小説である。

※加納新太とは・・・日本のライトノベル作家で、秒速以外にも、「ほしのこえ」や「君の名は。」等、複数の新海作品の小説を出版している。

【作品情報】

発売日:2011/5/20
ページ数:384ページ

では、以下にアニメ版との違いをまとめていきます。

  1. 「各回のモノローグの語り手が違う」

    これが、アニメ版やその他作品との最も大きな違いです。

    アニメ版では、1話(桜花抄)が貴樹視点、2話(コスモナウト)が花苗視点、3話(秒速5センチメートル)が貴樹視点で、物語が進行していくが、

    当小説では、1話:明里視点、2話:貴樹視点、3話:明里・貴樹の両方の視点から物語が進行していきます。

    なので、アニメ版とは逆の立場の視点で物語が進んでいくので、新たな解釈が多分に含まれているのです。

  2. 「明里の中学校時代の話や、貴樹とキスをした時の心境」

    上述のとおり、1話は明里視点で物語が進んでいくので、小学校時代の話、貴樹との出会い、そして貴樹とキスをした瞬間の心境(以下)

    「13年間生きてきたことの全てを分かち合えた。私たちは欠けることのない一つの存在だった。その一瞬だけ、私たちは完璧にお互いを理解できた」

    また、

    明里の引っ越し後の、中学校時代の話も詳細に描かれています。

  3. 貴樹は高校生にしてタバコを隠れて吸っている。不良少年ってわけでは無いが、、(2話)
  4. 貴樹が鹿児島に引っ越してからも文通はしばらく続くが、その後、文通はどちらともなく途絶えていった。
  5. 「二人の大学時代(3話)」

    2人とも東京の大学に進学し、一人暮らしをしている。

    また、明里は大学2年生の頃、同級生に熱心に口説かれた末、初めて男性と付き合う。

  6. 「水野理紗には兄がいた」

    当小説だけの設定だが、貴樹が社会人時代に付き合う水野理紗には兄がいて、

    その兄が、駅のホームで自殺してしまうトラウマを抱えている。(そのトラウマが、貴樹が彼女に興味を持つキッカケだった。)

  7. 「明里の仕事や結婚に至った経緯が詳細に描かれている」

    明里は大手の書店に就職が決まり、しっかりと仕事をこなしている。

    その際、仕事関係の人と出会い、その人との結婚が決まる。

  8. 「貴樹が仕事を辞めたあとについて」

    貴樹が仕事を辞めたあと、ふとコンビニで立ち読みをしていると、高校生の時に見た打ち上げロケットが、8年かけて冥王星に到着したことを知る。

    それに影響を受けたのか、彼は会社に縛られないフリーランスの道を選んだ。

  9. 「ラストについて」

    当小説:「秒速5センチメートル one more side」でも、ラストの結末については、踏切りのシーンになっています。

    ただ、その描かれ方は、新海版小説と同様に、貴樹について非常に前向きに描かれている。

    (お互いがお互いを認識しないまま、貴樹は将来に希望を見い出したように笑みを浮かべながら歩き出す。)

以上、アニメ版との違いでした。

また、さらに詳細なストーリー内容や解説については、以下の記事にてまとめられているので、気になる方は見てみてください。

小説:「one more side」から読み解く、映画「秒速5センチメートル」

漫画版:「秒速5センチメートル」のあらすじ解説や、アニメ映画との違いまとめ ~貴樹や花苗のその後についても

秒速5センチメートル(漫画版)-1

Amazon:秒速5センチメートル(コミック)

こちらが漫画版:秒速で、全2巻の単行本が発売されている。

(以下、作品概要)

著者:清家 雪子
公開日:2010/11/22
ページ数:236ページ(1巻)

※清家 雪子(せいけ ゆきこ)・・・漫画家で、当作品のほか、『まじめな時間』や『月に吠えらんねえ』が代表作である。

今回紹介してきた3冊の小説・マンガの中で、アニメ版と比較して、最もオリジナル要素が強いのがこの漫画版:「秒速5センチメートル」です。

(本編(3話)の後、完全オリジナルストーリーも収録されている)

というわけで、アニメ版との違いについて、以下にまとめてみました。

  1. 貴樹と明里が仲良くなるまでの経緯が、アニメ版よりも詳細に描かれている(1話)
  2. 花苗と貴樹の中学での出会いから高校生活と、より詳細に描かれている(2話)
  3. 「手紙を出さなくなった理由について」

    貴樹は以下のように振り返っている。

    「手紙を出すのを止めたのはどちらだったのか、はっきり覚えていない。それ自体は重要なことではなかった。

    もう、手紙に意味が無くなっていたから。

    互いの現在を掴みかねて、つながりを断つような核心に・・・二人の絶対的な乖離に触れるのを避けて、当り障りのない空疎な言葉を並べただけのものになっていたから。

    僕らはずっと一緒だと思っていた。もう二度と会えなくても、この思いだけは変わることはないと」

  4. 高校生の頃の明里のエピソード

    第1巻の「another story(オリジナルストーリー)」では、高校生の頃の彼女が、男子に告白された時の模様が描かれている。

    その時に、貴樹に送ったメール。

    「貴樹くん。

    ここには貴樹くんがいません。

    岩船駅に着くと貴樹くんの気持ちを感じます。でも、それもだんだん薄れてしまいました。

    貴樹くん、好きな人はいますか?

    私の知らない場所で何を思っていますか?

    私たちは、もう思い出なんでしょうか?」

    (その後、告白された男子と付き合ったかは不明。)

    まだ、この時点では明里が貴樹を想ってることが分かりますね。

  5. 水野理紗について

    小説版と同様に、漫画版:「秒速5センチメートル」でも、水野さんは非常に重要な役どころとして登場しています。(花苗に匹敵するレベル)

    3話では、貴樹との出会いから別れまでが、詳細に描かれています。

  6. 貴樹のその後・・

    IT系の会社でシステムエンジニアとして勤めていた彼は、その仕事を辞めたあと、宇宙関連の会社に転職しています。(子供の頃は宇宙飛行士になりたかった)

    こうして、新たなスタートを切った貴樹は、EDの踏切りのシーンへとむかいます。

    (EDについてはアニメ版と同じだが、小説版と同様に、前向きな印象をもてるように描かれている)

  7. 花苗のその後・・

    花苗が、貴樹に告白できないまま、高校を卒業したあとの話。

    こちらが、本編終了後、完全オリジナルストーリーとして描かれている内容になります。

    花苗は高校卒業後も、貴樹への想いをずっと引きずったまま成人しており、ある時、貴樹に会ってスッキリするために東京に行きます・・・

    (結局、貴樹には会えず終まいだったが気分的にはとてもスッキリしており、前へ進むことができる模様)

以上、アニメ版との違いでした。

また、さらに詳細なストーリー内容や解説については、以下の記事にてまとめられているので、気になる方は見てみてください。

→ マンガから読み解く、「秒速5センチメートル」

最後に・・・秒速5センチメートルと「君の名は。」の共通点や、その他の新海誠監督作品について

僕が新海誠監督に注目するようになるのは、「君の名は。」を映画館で観たことがキッカケなのですが(新参です、、)

その後、今回「秒速」を観た時に、ちょっと似てるなーって感じる部分がありました。

一番はやっぱり、「二人の距離感」でしょうね。

大都会と田舎っていう二人の距離と、それでもお互いに忘れられない存在として想い続け、そこに切なさや儚さを感じるところが、非常に似ているな。思いました。

ただ、決定的に違うのが、両作品の終わり方ですよね。

「君の名は。」はハッピーエンドですが、「秒速5センチメートル」はバッドエンドとなっています。(二人は結局、結ばれませんからね。)

※バッドエンドだから悪いというわけでは無いです。

そんな具合に、作品自体には共通点がありながらも、その方向性(新海監督の伝えたかった事)は大きく乖離しているのが分かります。

まぁ、どちらにしても、新海誠はガチガチのファンタジーやセカイ系よりも、人間の日常や切なさ・儚さ、情緒的な部分を描いた物語の方が、個人的には好きだなーと感じました。

(「君の名は。」もSF的な要素は多分にあるも、新海監督の伝えたかった本質は、またそういった要素とは違った「人間ドラマ」にあって、それが多くの人の感動を呼ぶことになったと思います。)

「我々の日常には波瀾に満ちたドラマも劇的な変節も突然の天啓もほとんどありませんが、それでも結局のところ、世界は生き続けるに足る滋味や美しさをそこここに湛えています。

現実のそういう側面をフィルムの中に切り取り、観終わった後に、見慣れた風景がいつもより輝いて見えるような、そんな日常に寄り添った作品を目指しています。」

by 新海誠

歴代の新海誠作品については、以下の記事にてまとめているので、良かったらこちらも確認してみてください。

→ 新海誠監督のおすすめ作品ランキング一覧(アニメ映画・著書小説・CM)~「君の名は。」や「秒速5cm」、「言の葉の庭」等々

ではまた、じゃーねー。

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