どーもー、先日、歴代の新海誠作品を一通り確認し終えた、新海ファンの「ゆとり」でーす。
(「君の名は。」を映画館に観に行って、号泣してしまったのが今回の始まりで、まだまだ新参者ですが・・)
新海誠は、現在(2017/1)でも大ヒット中の「君の名は。」を作り出したアニメーション映画監督で、その他「秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」、「ほしのこえ」等が、代表作品である。
また、新海誠は、監督だけじゃなく、ストーリーの原作・脚本から、絵コンテ・演出・色彩設計・撮影・編集など、多数の才能を持っていて、過去には、一つのアニメーション映像を一人で作り出して、(自主制作アニメ)
それがキッカケで、数々の賞を受賞し業界内で有名になったアニメクリエイターでもあります。
また、
新海誠監督の過去作品には、アニメーション映画だけでなく、短編作品やCM、小説等も制作・公開している。
というわけで今回の記事では、歴代の新海作品を、「映画・短編・CM・小説」ごとにまとめてみました。
以下、目次。
- 新海誠監督のおすすめアニメ映画作品ランキング
- 新海誠監督の短編アニメーション一覧
- おすすめのCM作品ランキング
- 新海誠著書の小説や、その他の作品一覧
新海誠監督のおすすめアニメ映画作品ランキング一覧 ~「君の名は。」や「秒速5センチメートル」、「ほしのこえ」
まずは、これまでに新海誠が公開してきた劇場版アニメーション映画を、個人的な尺度でランキングしてみました。
※2017/1までに公開されている、計:6作品の映画が対象です。
第6位:「星を追う子ども(2011年公開)」 ~新海誠監督のアニメ映画ランキング
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監督・原作・脚本 : 新海誠
その他・・・絵コンテ・演出・色彩設計・撮影監督・編集も、新海監督が担当している
- 上映時間 : 116分
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「星を追う子ども」のあらすじ概要
舞台は、1970年代の大自然あふれる田舎街で、そこに暮らしている小学生の女の子:アスナが主人公になります。
ある日、アスナは近くの山に向かう途中、見たこともない怪獣に襲われてしまうが、その際「アガルタ」から来たという少年・シュンに助けられる。
だが次の日、謎の少年:シュンは謎の死を遂げてしまい、アスカは彼の故郷である伝説の地下世界:「アガルタ」へ行く事を決意する。
そうして、アスカの伝説の地での旅が始まっていく、ファンタジー・アニメーション映画である。
この、「星を追う子ども」ですが、「今までの新海作品とは、明らかに特徴・作風が違う!!」といった声が非常に多い作品です。
(以下のような声が多い。)
- 長々としたモノローグが無くなっている。。
- ファンタジー要素やアクション要素が非常に強くなっている。
- 前作までの作品は、基本的にはGAINAX作品を意識・参照していた。
- 前作までの作品は、「現代の若者達の人間性・社会性」というテーマが入っていた。
- 今回の作品は、ジブリ色が強すぎる!!
(自分も、この作品を観た時に、非常にジブリ色が強い事は感じました。)
というわけで、
ジブリ作品との相似点であったり、作中にて参照されている数々の神話(アガルタやヴィマーナ・ケツァルトル等)について、
また、アスナの父親の謎や、アスナとシュン・シンの関係性の謎について、以下に考察記事をまとめているので、良かったら確認してみてください。
→ 「星を追う子ども」の感想と考察・評価(ネタバレ注意) ~ジブリらしさと新海誠作品の変化と神話(アガルタやヴィマーナ等)
第5位:「ほしのこえ(2002年公開)」 ~新海誠監督のアニメ映画ランキング
当作品は、初の劇場公開作品で、
- 監督・脚本・原案・編集・演出・作画・美術 : 新海誠
- 上映時間:25分(短編アニメーション)
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声優
オリジナル版 : 篠原美香、新海誠声優版 : 武藤寿美、鈴木千尋
※「ほしのこえ」は上記二つのバージョンがあるが、どちらもストーリー内容は同じです
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ストーリー概要
舞台は2046年の地球で、テクノロジーが発達した世界。
そんな中、中学3年生の長峰ミカコと寺尾ノボルは、互いに気になる存在で同じ高校への進学を望んでいたが、ミカコは国連宇宙軍の「リシテア艦隊(タルシアン調査隊)」に選抜されていた。
そして、翌2047年、4隻の最新鋭戦艦とミカコを含む1000人以上の選抜メンバーからなる「リシテア艦隊」は地球を離れ、宇宙へと旅立つ。
離れ離れになったミカコとノボルは、「長距離メールサービス携帯」で連絡を取り合うが、ミカコが地球から遠ざかるにつれて、メールの往復にかかる時間も数日、数週間と開いていった。
(最終的には、半年・1年といった時間が、メールの往復に掛かるようになる。。)
こうして、二人の距離と同時に二人の関係も徐々に変化していき、切なく儚い恋愛模様が描かれているのが、当作品である。
この作品は、新海誠がアニメ界隈で有名になるキッカケとなった「自主制作アニメ」で、公開後には、数々の賞を獲得します(以下)
- 第1回新世紀東京国際アニメフェア21 公募部門優秀賞
- 第7回アニメーション神戸 パッケージ部門作品賞
- 第2回日本オタク大賞 「トップをねらえ!」賞
- 第6回文化庁メディア芸術祭 特別賞
等々
ですが、個人的には、この「ほしのこえ」を観て、期待した割には拍子抜けした作品だなと感じました。(だから、この順位)
というのも、この作品が新海誠を業界内で有名にしたキッカケとなった作品で、セカイ系の作品でコアなファンからの評判がすごく良い印象を持っていたからです。
(「君の名は。」等、最近の作品に比べて、昔の作品の方が良かった。。といった声)
ただ、この作品だったら、個人的には全然「秒速」や「君の名は。」等の方が、傑作だと思いました。
※もちろん、作品時間がたったの25分しか無いという制限があるので、致し方ない部分もありますが。
というわけで、個人的に低い評価になった感想や、「ほしのこえ」のラスト(ミカコの生存有無情報など)について。
また、本作が「最終兵器彼女」やガイナックス作品に似ている部分や、本作で新海誠が一躍有名になった理由について考察してみたので、その辺に興味がある方はぜひ見てみてください(以下)
→ ほしのこえ(新海誠アニメ映画)のあらすじ・感想や結末・ラストについて(ネタバレ注意) ~漫画や小説版との違いなども
第4位:「雲のむこう、約束の場所(2004年公開)」 ~新海誠監督のアニメ映画ランキング
- 監督・原作・脚本・製作総指揮 : 新海誠
- 音楽:天門
- 上映時間:91分
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あらすじ
舞台は、北海道と本州が分断され、北海道が「世界の半分を覆う共産国家群:ユニオン」によって占領された、空想の世界になります。
そんな中、本州の青森県に住む中学3年生の藤沢浩紀(ふじさわ ひろき)と白川拓也(しらかわ たくや)、沢渡佐由理(さわたり さゆり)の3人は、北海道にそびえる「ユニオンの塔」まで飛んで行く計画を立てていたが、
ある時、忽然と佐由理は2人の前から消えてしまう。
それから、残った2人も別々の道を歩みはじめるが、数年が経った時、佐由理の行方が明らかになり、やがて「ユニオンの塔」と佐由理との間に衝撃的な関係があることを知った浩紀と拓也は、青森の地で再会し動き出す・・・
こちら、「雲のむこう、約束の場所」は、公開後に「東京国際アニメフェア2003 表現技術賞」や「カナダファンタジア映画祭 アニメーション映画部門銀賞」を受賞するなど、高い評価を得ていますが、、
他の新海作品:「ほしのこえ」や「秒速」・「言の葉の庭」と比べると、人気も知名度も劣(おと)っている作品です。
ただ、個人的には、歴代の新海誠作品の中でも、非常に好きな作品です。
基本的に、新海作品は終わり方が儚いモノだったり、納得できずにあとに引きずる作品が多いのですが、珍しく綺麗に終わった内容だったし、
短編作品が多いなか、「雲のむこう、約束の場所」は長編アニメーションで、ちゃんと物語が不足なく描かれていて、謎や伏線もほとんどがちゃんと回収されているところも、評価のポイントです。
「雲のむこう、約束の場所」の詳細なあらすじや、弘樹と佐由理のその後の考察について。
(本編のラストは一見ハッピーエンドに見えますが、冒頭のシーンも考慮すると、実はそうでも無いんです。むしろバッドエンド・・)
また、その他の感想については、以下の記事にてまとめているので確認してみてください。
→ 雲のむこう、約束の場所(新海誠アニメ映画)のあらすじ解説や感想・評価(ネタバレ注意) ~その後の考察や小説版についても
続いて、、
第3位:「言の葉の庭(2013年公開)」 ~新海誠監督のおすすめ映画作品一覧
こちらは、2013年に公開された「君の名は。」の一つ前の作品になります。
- 監督、原作、脚本、編集、絵コンテ、演出、撮影監督、色彩設計 : 新海誠
- 上映時間:46分(短編作品)
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あらすじ概要
舞台は大都会東京の新宿。雨が続く梅雨の時期。
そこで、靴職人を目指す高校1年生のタカオと、27歳の社会人女性:ユキノは出会うことになる。
そんな二人の出会いから、お互いに惹かれていくも、年齢や立場上のハードルから素直にいけない切なさや儚さが描かれている恋の物語となっています。
この、「言の葉の庭」は、公開3日間で興行収入:3000万円を記録し、累計12万人以上を動員する大ヒットとなった。(最終興収は推定1億5000万円)
(この記録は、新海監督の代表作である「秒速5センチメートル」の動員数を10日間で突破し、新海作品の中でも最高のヒット記録となる。)
また、「言の葉の庭」は、「君の名は。」とも繋がりがあって、ヒロインの雪野先生が「君の名は。」にも教師として登場していたりします。
その他、本編にて雪野先生が口にする短歌(万葉集)の意味や、雪野先生と同い年(27歳)の僕の個人的な共感部分や感想なんかを、以下の記事にてまとめているので、良かったら見てみてください。
→ 言の葉の庭(新海誠作品)のあらすじや感想(ネタバレ注意)~映画と小説の違いや雪野先生の短歌の意味、「君の名は」との繋がり
また、
「言の葉の庭」に出てくる庭園(二人が出会う場所)は、現実にも実際にあるところです(新宿御苑)
というわけで、僕が新宿御苑に聖地巡礼して、運命の女性と出会えるかどうか行ってきた時の記事についても紹介しておきます。
→ 「言の葉の庭」の舞台:新宿御苑に聖地巡礼してきた ~「君の名は」で瀧君が働くイタリアンレストラン「カフェ ラ・ボエム」も
第2位:「秒速5センチメートル(2007年公開)」 ~新海誠監督のおすすめ映画作品一覧
こちらが第2位に選んだ「秒速」です。(今回の順位で、1位と2位の順位づけが最も迷いました)
- 監督・原作・脚本・絵コンテ・演出・キャラクター原案・美術監督・色彩設計・撮影・編集・3DCGワーク・音響監督 : 新海誠
- 作画監督・キャラクターデザイン:西村貴世(新海作品ではお馴染みのスタッフです)
- 音楽:天門(新海作品ではお馴染みのスタッフです)
- 上映時間:63分
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あらすじ概要
小学校の時に出会った貴樹(たかき)と明里(あかり)はお互いに惹かれ合っていき、淡い淡い関係を育んでいくも、その後二人の転校によって、徐々に距離が空いていき、二人の関係性も変わってくる。
そんな二人の、時間と距離による変化を「桜花抄(おうかしょう)」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」という3つの短編で構成された物語になります。
「秒速5センチメートル」は、「アジアパシフィック映画祭:最優秀アニメ賞」等々の賞を受賞し、日本だけじゃなく海外でも評価された作品で、
個人的にも非常に好きな作品です。
「君の名は。」以外で、唯一号泣してしまった新海アニメです。
(1話:桜花抄で、終盤、二人が群馬の田舎駅で待ち合わせをする時のシーンで、号泣してしまいました)
また、3話で視聴者の期待(予想)を裏切った展開(貴樹と明里の関係性)になり、バッドエンドになったところも、モヤモヤと鬱的気分に陥ってしまいましたが、
それもそれで、新海誠らしいというか良かったと思います。
「秒速5センチメートル」の詳細なあらすじ内容や、1話にて二人が書いていた手紙内容について。
また、「君の名は。」との共通点や相違点について、以下の記事にてまとめているので確認してみてください。
→ 秒速5センチメートル(新海誠の鬱アニメ映画)のあらすじ解説や感想(ネタバレ注意) ~結末やその後、漫画・小説との違いも
第1位:「君の名は。(2016年公開)」 ~新海誠監督のおすすめ映画作品一覧
- 監督・原作・脚本・絵コンテ・編集・撮影:新海誠
- キャラクターデザイン、オープニング原画・作画監督:田中将賀
- 音楽・主題歌:RADWIMPS
- 制作会社:コミックス・ウェーブ・フィルム
- 上映時間:107分
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あらすじ概要
東京に暮らす少年・瀧(たき)と飛騨の山奥で暮らす少女・三葉(みつは)の身に起きた「入れ替わり」という謎の現象によって、最初は困惑するも、二人は徐々に打ち解け惹かれあっていく。
だがある時、「入れ替わり現象」がまったく起こらなくなり、瀧は三葉に会いに飛騨の山奥へと向かう。
しかし、三葉が住んでいた糸守町は、3年前に隕石(ティアマト彗星の破片)が直撃したことで消滅しており、三葉やその家族、友人も含め住民500人以上が死亡していたことが判明。
では、今まで瀧が入れ替わっていた三葉という女の子は一体・・・
※ストーリーの全貌・詳細については、wikiにてまとめられています。
・ウィキペディア:君の名は。(ストーリー)
こちら、「君の名は。」は公開後2日間で7.7億円の興行収入を記録し、その時点で前作:「言の葉の庭」の興行収入(推定):1.5億円を遥かに上回る。
さらに、公開から28日間の興行収入が100億円を突破し、日本のアニメーション監督では宮崎駿に続く2人目の達成となる。
その後も、動員・収入ともに伸び続け、公開後15週目にして興行収入199億円を突破し、193億円の『もののけ姫』、196億円の『ハウルの動く城』を超え、邦画歴代2位となる歴史的大ヒットとなる。
(1位は、ジブリの「千と千尋の神隠し」)
また、「君の名は。」は日本だけじゃなく、海外125の国と地域で配給が決定し、2017年1月18日時点で、全世界での興行収入合計が2億8,100万ドルに達し、『千と千尋の神隠し』の2億7,500万ドルを抜いて、日本アニメーションとして史上最高記録となったことが確定し、
- 第18回プチョン国際アニメーション映画祭 長編コンペティション部門 優秀賞
- 第34回ゴールデングロス賞 日本映画部門 最優秀・金賞
- 第40回日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞
等々、多数の賞を受賞する。
このように、客観的な記録を並べてみるだけでも、歴史を塗り替える超大作となっていますが、
個人的にも、2016年で2番に位置するレベルで号泣してしまった作品であり、
(ちなみに2016年最も号泣した出来事は、地下アイドルの卒業ライブ中ですw)
2人が入れ替わる設定や徐々に惹かれあっていく過程、三葉の運命を変えるためにタイムリープして過去を改変していく物語など、ハラハラドキドキしながらも感情を揺さぶられる感動シーンが多々あり、終わり方もハッピーエンドで非常に良いラストでした。(新海作品では珍しい)
というわけで、今回王道ながらも、「君の名は。」を第一位に選定しました。
(DVDが出たら、絶対もう一度観ようと思っています)
新海誠監督のおすすめ作品一覧 ~短編アニメーション編
続いて、新海監督の制作した短編アニメーションについて、歴代の作品をまとめていきます。
その歴史は古く、まだ新海誠が「日本ファルコム」というゲーム会社で働いている時期に、その傍らで自主制作した短編アニメーションから始まっていきます。
(「日本ファルコム」には、彼が大学在学中からアルバイトとして働き始め、1996年に大学卒業後、そのまま正社員として入社する)
※作品一覧は、公開順に紹介していきます。
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「囲まれた世界」
こちらは、新海誠が初めて公開したアニメーション映像になります。
公開時期:1998年
(まだ、ゲーム会社:「日本ファルコム」で働いている時期に制作した短編アニメーションである)
映像時間:30秒
以下の公式ページでは、この作品について、”村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に触発されて、似たような雰囲気を目指して創り始めました。”と書かれている。
ですが、動画のダウンロードは終了していて、ネット上を探してみましたが見つかりませんでした。(幻の映像)
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「遠い世界」
公開時期:1998年
(この作品も、まだゲーム会社:「日本ファルコム」で働いている時期に制作した短編アニメーションである)
(公開は、「囲まれた世界」の方が先だが、制作時期は当作品の方がはやいようです。)
(なので、実質この「遠い世界」が新海誠の最初の作品と言っていい)
映像時間:1分28秒
冒頭から、エリック・サティ:「ジムノペディ」が流れ、「空、飛びたい?」っていう意味深なワードが映し出される。
映像はモノトーンで手書き感満載のデザインとなっているが、それがまた趣を感じる。
終始、セリフは無しで(文字が表示されるだけ)
ストーリー的には、失恋した一人の女性が、恋人と一緒だった幸せだった日々を思い出し、別れを受け入れることができない模様が描かれており、そんな女性に意味深の言葉が投げかけられている。(語りかけているのは、おそらく鳥。)
この「遠い世界」は、そんなセンチメンタルな作品となっています。
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「彼女と彼女の猫 Their standing points」
・監督・制作:新海誠
・音楽:天門
・公開:2000年
・上映時間:4分46秒(フルバージョン)
・あらすじ概要(以下)
都会で一人暮らしをしている社会人女性と、偶然彼女に拾われた一匹の猫の日常シーンが、猫視点(猫のモノローグ)で進んでいく物語となっています。
この「彼女と彼女の猫」は、全編モノトーンでありながらも緻密に描かれた作画や映像演出などは、当時の自主制作アニメーションのクオリティーを遥かに超えており、公開後には、「第12回CGアニメコンテストグランプリ」といった賞を受賞しています。
そして、
この作品で賞を獲得したことや手応えによって、新海誠は会社を辞める決意ができたといい、
この後、「ほしのこえ」の制作に集中するため、2001年初夏の頃に日本ファルコムを退社しています。
(その後、2002年に「ほしのこえ」が映画上映される)
新海監督はこの「彼女と彼女の猫」について、以下のように発言しています。
1999年の初夏から初冬にかけて作成した自主制作アニメーションです。生活していくことの漠然とした寂しさ、微かな痛み、ささやかな温もりなど、言葉では伝えにくい感情を映像と音に託しました。
また、
この作品は、のちに小説化や漫画化、さらに2016年3月にはアニメ化もされており、原作(新海誠Ver)とはまた違ったオリジナルストーリーが、短編TVアニメとして公開されています。
※アニメ版のタイトル : 「彼女と彼女の猫 Everything Flows(略して、EF)」
というわけで、それらについては(新海版との違いなど)、以下の記事にてまとめているので、良かったら確認してみてください。
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「笑顔(NHK:「みんなのうた」)」
こちらは、2003年4月~5月にNHK総合で放送された「みんなのうた」の曲と一緒に流れた映像になります。
曲は、岩崎宏美さんが歌う心温まる曲となっていて、2分20秒の映像となっています。
映像の内容としては、一人の女性とハムスターの日常が描かれており、(セリフは当然無し)
基本的にはハムスターの可愛らしい描写や、心温まる映像となっていますが、
女性が失恋をしたのか、二人の手が離れそうな回想シーンや、それを思い出して悲しそうにする描写もあったりします。
(おそらく、失恋したからハムスターを購入した)
けど最終的には、桜舞い散る春の季節に、これから前向きに生きていこうとしている女性が描かれています。
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「猫の集会(NHK:「アニ・クリ15」)」
こちらは、2007年12月からNHKで放送された「アニクリ15」という番組にて選ばれた、ショートムービーになります。
「アニクリ15」とは、15人のアニメーション・クリエイターが1分ずつショートムービーを作る、という企画の番組で、そのうちの1本を、新海監督が担当しました。
監督・絵コンテ・背景美術・色彩設計・撮影:新海誠
キャラクターデザイン・原画:西村貴世
音楽:天門
アニメーション制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
(新海作品ではお馴染みのスタッフ)
ストーリー的には、四人家族に飼われている猫:チョビの物語で、人間たちの無神経な振る舞いに日々苛立ちを募らせていて、夜な夜な、人間への報復を目論んでいるチョビ。
だが、そんな目論見も虚しく猫の日常は変わらず続いていく、猫好きにとっては心温まる作品になっています。
(新海誠の猫好きが分かる作品ですね)
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「だれかのまなざし」
この短編アニメーションは、2013年、野村不動産グループの「プラウドボックス感謝祭」時に放映された作品で、のちに、YouTubeでも一般公開される。
監督・脚本・絵コンテ・演出:新海誠
作画監督・キャラクターデザイン:鈴木海帆
主題歌:和紗の「それでいいよ」(シンガーソングライター)
放送時間:約6分40秒
あらすじ(以下)
就職を機に一人暮らしを始めた社会人2年生の岡村あや(通称:「あーちゃん」)と、その父親、そしてあやが子供の頃から飼っていた猫のミーさんの日常が描かれている物語です。
以下、「だれかのまなざし」を観て、個人的に気になった部分や感想を以下にまとめました。
・この作品の世界は、実際には無い近未来的な技術発展がされており、ホログラム?バーチャルリアリティ?のシステムが一般化し、街の広告やコンビニの購買システム、携帯の代わりにもなっている。・優しく包容力のあるような声・女性のナレーションは、猫のミーさんであることが終盤に明かされる。
あーちゃんの幼少の頃からの成長や親離れしていく過程、一方で父親の親心を、飼い猫であったミーさんの視点で描かれているのが、本作品です。
・新海監督は、「だれかのまなざし」について、以下のようにコメントしています。
”課題としていただいた「未来」・「家族の絆」という大きなテーマを、どのように短い時間で娯楽アニメーションの枠組みの中で語るかに腐心しました。”
以上、新海監督が制作した短編アニメーション一覧でした。
新海誠監督のおすすめCM作品ランキング一覧 ~Z会や、大成建設など
あまり知られていないかもしれませんが、新海監督は、いくつかのCM作品も担当・制作しています。
というわけで、監督が担当したCM作品のおすすめランキングを以下にまとめました。
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第3位:「信濃毎日新聞」
こちらは、2007年に放送された、長野県内で発行されている「信濃毎日新聞」のテレビCMになります。
豊かな自然を舞台に、一人の女の子(学生)が、電車に乗っている父親に想いを伝えようとするCM映像になっています。
女の子は泣きながら自転車に乗り全速力で、電車に乗っている父親に叫びかけていますが、よっぽどの状況なんでしょう。ドラマの感動シーンのようです。(一体、なにがあったのか気になりますが、)
とまぁ、このCMを新海監督が担当し、音楽は長野県に在住しているシンガーソングライターの「タテタカコさん」が歌っています。
(新海監督も長野出身だから、この話(長野の新聞のCM制作)が浮上したのかな・・)
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第2位:「大成建設」
2011年12月に放送された、この大成建設のCM(ボスポラス海峡トンネル編)を皮切りに、
・2013年12月放送 : 大成建設「スリランカ高速道路編」
・2014年8月放送 : 大成建設「ベトナム・ノイバイ空港編」
と、3つのCMを新海誠(制作会社:コミックス・ウェーブ・フィルム)が担当しています。
CMの内容的には、どれも海外の建設現場で働く技術者の姿が描かれており、その技術者の生い立ちや仕事で大切にしている事などの描写があります。
また、海外の地の光景や建設現場の背景が非常に緻密かつ鮮やかに描かれており、ネット上等で話題となったりもしました。(新海作品のデザインの特徴が出ており、そういった意味でも話題に)
ちなみに、
新海誠の実家は明治42年創業の建設会社(ゼネコン)を代々営む新津組で、昭和47年に株式会社として設立されたのち、3代目にあたる父親が代表取締役社長に就任し、年商70億円ほどの規模にまで成長させたといいます。
こういった背景からも、大成建設とは縁(ゆかり)があったのかもですね。
新海監督が担当した、大成建設の各CMの映像やストーリー詳細については、以下の記事にてまとめているので良かったら確認してみてください。
→ 大成建設のCMアニメ4作品(新海誠監督):「地図に残る仕事」のまとめ ~声優や挿入歌(曲)情報など
(厳密には、新海監督が担当したのは3作品ですが、同じ制作会社(コミックス・ウェーブ・フィルム)が作成したのも含めて、4作品を紹介しています。)
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第1位:「Z会のクロスロード」
2014年春に公開された、「Z会」と新海監督によるコラボ作品となっています。
・監督・脚本・絵コンテ・演出 : 新海誠
・キャラクターデザイン・作画監督 : 田中将賀(「君の名は。」と同じキャラデザ)
・時間:120秒
このCM内容は、離島に住む女子高生と東京に住む男子高生の2人の視点で物語は進んでいき、やがて大学受験を軸に2人が交わっていく物語となっています。
(受験生を応援する意図が込められたCMです)
そして、実はこの「クロスロード」
遠い所で別々の日常を過ごす2人の視点で、少しずつそれらが交差していく展開は、「君の名は。」の原点にもなっているそうで、
こういった点から、今回1位に選出しました。
(Z会:クロスロードについては、以下にてさらに詳しくまとめています。)
→ Z会CMのアニメ:「クロスロード(新海誠監督)」のまとめ ~小説版や主題歌(やなぎなぎ)、映画:「君の名は」との関係など
以上、新海誠監督が担当したCMランキングでした。
新海誠著書の小説や、その他の作品一覧 ~「君の名は。」や「秒速5センチメートル」、「言の葉の庭」等々
新海監督は、自身が制作したアニメーションの小説もいくつか出版していたりします。(しかも、アニメ版と小説では、ストーリーがだいぶ変わっていたりもする。)
なので、新海映画が好きな人は、彼の小説も読んでみることをおすすめします。
というわけで、これまでに(2017/1)彼が出版した3冊の小説や、その他、彼が担当したマイナー作品についても当章でまとめていきます。
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「小説 秒速5センチメートル」
2016年に出版された小説版:「秒速5センチメートル」(映画公開されたのが、2007年です)
こちらは、累計10万部のヒットを記録し、映画では語られなかったストーリーも含まれています。
ただ、そこまで独自の解釈は多くなく、基本的なあらすじは映画の物語に沿っているため、映画の補完的に読めば良い作品。
以下、映画版との違いの一部。
・第1話:「桜花抄」で、最後に二人が渡せなかった手紙の内容が全文公開される。
・水野理紗に関しての情報が、非常に細かく書かれている。(映画版ではたいして重要人物でも無かったが・・)
手紙の内容についてや、その他の違いについては以下の記事にてまとめているので、確認してみてください。
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「小説 言の葉の庭」
2013/5/31に当作品の映画が公開され、その約1年後(2014/4/11)に出版されたのが、こちらの新海誠監督自らが書き下ろした小説になります。
小説版には、映画では描かれなかった部分が多数あり、映画では僅かしか登場しなかったキャラクターにも大きく焦点が当てられて、それらの過去や心情が描かれています。
タカオと雪野先生がメインで、二人の視点でストーリーが展開していくのが映画版だとすると、小説版ではもっと世界観が広げられて、合計6人の視点で物語が展開していく、群像劇のような構成となっています。
具体的には、
- 主人公の男子高校生:タカオ
- ヒロインの先生:雪野
- 彼女との同棲が決まった、タカオの兄
- 年下の彼氏と家を出ていった、タカオの母親
- 過去に雪野先生と付き合っていた、同じ学校の体育教師(伊藤先生)
- 雪野先生に対して、執拗に嫌がらせをしていた主犯格である女子生徒:相沢さん(映画では、タカオがビンタする3年生の生徒)
この6人が、各章ごとにメインキャラクター(語り手)となって、物語が進んでいくわけですね。
なので、映画版とは比較にならないほど、世界観が広がった作品になっているわけです。
また、タカオと雪野先生についても、
タカオの中学生の時の恋愛とか、高校卒業後の話とか、雪野先生の学生時代の話とか、
映画版では語られなかった、雪野先生が地元に帰ったあとの、二人のその後についても、小説版では描かれています。
-
「小説 君の名は。」
映画公開に先駆けて発売されていた、新海誠著書の「小説 君の名は。」(映画より約2ヶ月ほどはやい)
映画公開前の時点(8月26日)ですでに50万部を超えており、その後、9月20日には100万部を突破する大ヒット作品となります。
出版社の作品紹介文では「原作小説」と書かれているが、小説版は、脚本の完成後に執筆されたもので、新海自身は「どちらが原作なのかと問われると微妙なところ」としている。
物語の展開で、両作に特に大きな違いはない。(むしろ、ほとんど一緒)
ただ、映画版は3人称視点なのに対して、小説版は2人称で書かれてある為、小説版では、2人が登場しないシーンは無くなっている。
新海監督自身も、小説版のあとがきで以下のように書いている。
「小説と映画で語り口には違いがあって、小説では主人公2人だけの語り口だけだけど、映画はそもそもが3人称-つまりカメラが映し出す世界である」
以上、新海誠が著書の3つの小説でした。
また、新海作品には、彼ではなく別の作者による小説が多数出版されており、その辺は注意してください。
※「秒速」や「君の名は。」も、別の作者の著書が出版されています。
・
・
・
続いて、上述で紹介しきれていない、その他の新海作品ですが、
新海監督は、過去に「minori」というアダルトゲームのオープニングムービーを制作していたようです。(複数作)
各タイトルについては、以下のwikiにてまとめられているので、そちらを確認してください。
→ ウィキペディア:新海誠(短編映像:オープニングムービーの部分)
また、
1994年、新海監督がまだ学生時代の時に、描いたとされる短編の絵本。(児童文学サークルに入っていたようです)
『なめくじ』という作品
(以下の公式ページに、内容がすべて掲載されています)
ストーリーは、一人の女性の生い立ちから大人になるまでの物語で、全体的にどこか儚げで繊細な、センチメンタルな内容となっており、この時代から、新海誠という作家の作風が変わらないことが分かります。
(上記のページで、全て公開されているのでぜひ読んでみてください)
以上です。
今回紹介してきた作品を一通りチェックしておけば、まぁ新海ファンとしては一人前と言えるんじゃないですかね・・
ではまた、じゃーねー。